毎月分配型ファンドの「粉飾利回り」に騙されるな

 毎月分配型のファンドには、本業の利益から出た分配金と、投資元本から取り崩す特別分配の2種類がある。前者は健全な配当なのだが、後者の場合は注意が必要だ。

 後者は身を切る「タコ足ファンド」。これまでにも問題は指摘されてはきたが、多くの個人投資はあまり気に掛けずに保有してきた。だが、ダイヤモンドザイ8月号に毎月分配型ファンドの中で危険度の高いものについて特集されている。

 その中では、特別分配が50%を超えるものについては、「危険」と判定されている。特に1年前に購入した先進国の債券型が危険水域にあるものが多いようだ。

 一般に分配金が出た後は基準価額が下落するのだが、分配後の基準価額が個別元本を上回っていれば特に問題はない。個別元本とは、投資家個々がファンドを購入した際の基準価額を指す。

 ただし、基準価額が個別元本を下回った際には注意が必要だ。これは「特別分配」という形で配当されるために、元本を取り崩すということになる。身を削って出した配当は、当然ながら寿命を縮めているにすぎないからだ。誤解を恐れずに言えば「粉飾利回り」ということになる。

 つまり、毎月安定的に良い配当が出ていたとしても、分配金の内訳を一度確認しておく方がいいだろう。中には、特別分配金の比率が50%を上回るものもたくさんあるようだ。

 本当に良いのかどうか。売却、乗り換えを考えてみるのも良いだろう。

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