年収10億円のモテモテ超人気職業

 今、ウォール街で最も人気のある職業は「CRO」だ。これはチーフ・リスク・オフィサーの略語。リスク管理責任者として、最悪の事態である経営破たんをしないかどうかを管理するという仕事だ。

 ブルームバーグの取材に対して、シティグループのCROブライアン・リーチ氏によると、10年ほど前には、CROは置かれていないことも多く、実質的にはCEOが判断を下していたという。

 また、バンカメメリルのCROブルース・トンプソン氏によると、01年の年収は50万ドルほどだったというが、同氏の昨年の年収は1140万ドルだとか。10年で何と20倍以上になっている計算となる。

 意識しはじめられたのが98年のLTCM破たん。その後はロシアで14の銀行と証券会社が経営破たんしたそうだが、その後はさらにデリバティブ取り引きが急拡大したことで、リスクテークが大きくなり、リスク管理を徹底する必要が出てきた。現在、その規模は全世界のGDPを上回る約7京円規模にまでなっていると言われている。

 それの最たるものが、08年のリーマンブラザーズの経営破たん。第二のリーマンを出すなと日々、目を光らせているのだという。

 ちなみに、女優デミ・ムーアさん主演の映画「マージンコール」は、CROを主人公として描いた作品。米紙ニューヨークタイムズでは、CROという職業が「新しいセックスシンボル」とも評されている。


デミ・ムーアさん

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