写真で届ける世界遺産(フランスその3、サンティアゴ・デ・コンポステラ巡礼道)

 9世紀初め、ガリシア地方のレブレドン山でイエス・キリストの12使徒のひとり、聖ヤコブの墓が発見されました。やがてその地に聖堂が建ち、人が集まりサンティアゴ・デ・コンポステラの町ができたのです。

 当初は地方的なものだった「聖ヤコブ信仰」は、11世紀にはヨーロッパに広まり「聖ヤコブの霊廟に詣でれば、すべての罪が許される」と大勢の巡礼者たちがヨーロッパ各地から向かいました。最盛期の12世紀には、その数が年間50万人を超え、エルサレム、ローマに次ぐキリスト教、第3の聖地になりました。

 世界遺産に登録されてるのはフランスからスペインへの道で、主要なルートは4つあるが、そのうちのアルルからピレネー山脈を超えていく一番南のルートがトゥールーズを通過します。

 トゥールーズのマタビオ駅前から、キャピトル(市庁舎)に向かう。観光案内所に無料MAPがあるので、地下鉄に乗らず、ブラブラ歩くのがお薦め。写真は駅前の通りです。


 トゥールーズは5世紀頃にはゴート族の都として発展し、ルネッサンス期には染料や穀物の交易で栄えた。ガロンヌ川で採れる粘土で造ったレンガはピンク色で、旧市街は「バラ色の街」とも言われる。


 写真はトゥールーズのキャピトル(市庁舎)で、完成は1760年。ピンク色のレンガと白い石を組み合わせた壮麗な姿は横幅が150メートルあり、この町の華やかな歴史を感じさせます。


 キャピタルから歩くと、目的地のサン・セルナン・バジリカ聖堂が見えてきます。11世紀から13世紀にかけて建造された、フランス最大のロマネスク様式の寺院です。


 写真は高さ65メートルの八角形の鐘楼。バジリカ聖堂はロマネスク様式だが、この鐘楼はゴシック様式なので後の時代に改修が加えられたのでしょう。ちょうど青空に飛行機雲が書かれています。


 南側入り口のタンパン(教会の入口上部にある半円形の部分)を飾る彫刻は12世紀のもの。周辺に巡礼者はいなくて閑散としてました。


 サンティアゴ・デ・コンポステラへの大勢の巡礼者を迎え入れるためこの聖堂は巨大な内部空間を持っていて、奥行きは150メートルもあります。内部が暗いのは、窓がロマネスク様式で小さいためです。


 ホタテ貝をぶら下げた巡礼者はここで旅の無事を願い、休養してから厳しいピレネー越えを目指したのでしょう。

 現代は、徒歩で巡礼道を100キロ歩けば、サンティアゴ・デ・コンポステラにて巡礼証明書を貰えるそうです。今から貝付きのホタテ貝を買って、準備を始めたらいかがでしょうか。

 中国の諺ですが、郭隗(かくかい)は、「まずは隗より始めよ」と言いました。「まずは貝より始めましょう」(笑)

 ちなみに、サンティアゴ・デ・コンポステラ巡礼道は1993年に世界遺産に指定され、フランス・ルートは98年に世界遺産に指定されました。

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