中国長者番付ができるまで

中国でランキングは歓迎されなかった


フージワーフ氏
 中国に15年以上住み続け、富裕層と親交を重ねてきたイギリス人がいる。ルパート・フージワーフ氏で中国では漢字で「胡潤」と名乗っている。

 1970年ルクセンブルク生まれ。ドイツ語、フランス語、ルクセンブルク語、ポルトガル語など7言語に堪能で、特に専門の中国語は流暢。元々イギリスの会計士で国際会計事務所の駐在員として上海に赴任したが、趣味で中国富豪ランキングを作成したのをきっかけに99年“百富”を雑誌上で発表。それ以来、中国の民間企業経営研究の中心的な人物となって度々メディアに登場するようになっている。

 フージワーフ氏が作成する富豪ランキングは客観的な財務報告に基づいたもの。自身の仕事について「ランキングを通して、中国起業家について語る」ことに意義があると考えている。富豪ランキングは多くの起業家にとって“栄光の証”だと主張する。

 だが、中国社会ではこうしたランキングはあまり歓迎されるものではない。昔から中国人には“お金を持っている事を他人に知られたくない”という心理があり、巨額の富を手にした富豪たちはランキングに乗ることを喜ばない人も多いのだ。ランキング作成中、多くの脅しがあったと告白する。

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