TBSの人気時代劇「水戸黄門」が今シリーズをもって放送を終了することになった。1200回以上の放送回数を誇る国民的番組も、人々のライフスタイルや視聴習慣の変化には対応出来ずじまい。打ち切りはそうしたことが背景にあるのだが、大河などを放送するNHK以外の民放制作の時代劇は軒並み全滅。TV局のフトコロ事情もあり、「制作費のかかる時代劇を切りたかったのだろう」という声が撮影、事務所の関係者から出ている。
最後の砦「水戸黄門」も終了
水戸黄門(TBSより)
全国紙の文化記者によると、ここ数年は撮影が行われている京都の太秦でも記者会見の回数が減っているのだという。かつては会見の後は、テレビ局持ちで食事、JR京都駅までのタクシー代など記者たちにとっては手厚い待遇だったそうだ。また、東京から来た記者には、足代とプラス一泊ということもあったそうだ。もちろん、それらは若い記者は体験しない大昔の話だ。
それでも水戸黄門は最後の砦のような存在だった。1969年に番組はスタートし、79年には43.7%を記録したこともあった。だが近年は一ケタの時もあるなど、度重なるテコ入れもあったが、上昇の気配は見えてこなかった(数字はいずれもビデオリサーチ調べ、関東地区)。
視聴率はテレビにとっての生命線。と同時に株式会社である以上は、お金も生命線なのだ。