NHK大河の1本の制作費6000万円
「テレビ局も本音は、時代劇は全部やめたいんじゃないですか。そうなると、我々も商売、あがったりなんですが…」と関西のプロダクション関係者。連続ドラマはほとんど、東京で制作されるだけに、京都で収録される時代劇シリーズは、関西の芸能プロにとっては稼ぎ口だったのだ。
実際には制作費がこれでもか、というくらいに掛かる。例えばNHKの場合の1本あたりの制作費を並べてみる。
・「功名が辻」6110万円
・「おかあさんといっしょ」320万円
・「その時 歴史が動いた」1650万円
巧名が辻はNHK大河だが、破格の6110万円。しかし、業界的には、NHKはキャストの出演料が安いことで知られ、時代考証や道具などにお金を掛けることができる。しかし、民放の時代劇の制作費はもっと安いと言われる。
時代劇は、やはり道具を一から揃えることが制作費の掛かる理由の一つだ。「衣装、カツラ、すべて役者さんに合わせてカスタマイズします。もちろん、メンテも必要です」と撮影所関係者。カツラはちなみに軽く20万円以上はするのだという。キャストの人数分ということになると、膨大な金額になる。
もちろん、レンタルなども使いながらコスト削減はしているものの、制作関係者は「シワ1本、クギ1本と言えども、今後は手を抜けないのです」と地デジ対応への苦悩があるともいう。
それでも「水戸黄門はおいしい」と、TBS以外の他のテレビ局員がよく、そう漏らす番組なのだ。