「世界一予約が取れないレストラン」として知られるスペインの高級レストラン「エルブリ（エルブジ El Bulli）」が30日、閉店した。名シェフのフェラン・アドリア（Ferran Adria）氏が作り上げた伝説は、14年に戻ってくるまで、いったんその歴史に幕を閉じることになる。
スペイン・カタルーニャ地方の海を見渡すことができる立地が特徴的。1年間で約8000人の予約を受けるのだが、実際には100万件以上の予約注文があり、断ることが当たり前になっていた。また、料理人としては創作にかける時間がなく、この職業の生命線でもある創作的チャレンジに費やす時間は皆無だった。
前衛的な料理。世界中から高い評価をもらうことはうれしくても、それは結局のところ、自分自身の首を締めることになってしまった。1日で1年間の予約がすべて埋まるというとんでもない非常識な店に育て上げてしまった後悔もあった。
だが、そこはしばしの時間が解決してくれるだろう。
ＡＦＰ通信によると、アドリア氏はこの日、同地で記者会見し「きょうがとても悲しい日になるという考えは道理にかなっているものの、われわれは、反対にとても喜んでいる。なぜならプロジェクトは続くからだ」と、述べたという。
14年には料理研究所「エルブリ基金」を同地にオープンさせる。◆参考◆
エルブリのフェラン・アドリア氏（Ferran Adria）
