25年後、埼玉の医師の労働時間が週168時間に

 「埼玉県25年後の医療」と題したレポートを、東大医科研研究チームが2日発表した。2035年には医師数が現在から30%増となるものの、医師の労働負担は47都道府県で最下位の水準にある、としている。

 日本全体で見た場合には、2035年には、医師数は10年から20%ほど増加。これまで医師100人の労力を必要としていたところが、75人の労力となり負担は軽減される。

      埼玉県人口 医師数
・2010年 約700万人  約9300人 
・2035年 約630万人  約1万2350人

 県の人口は減少し、医師の数は増加。人口1000人あたりの医師数で見ると10年が1.31だったものが、35年には1.97となる。一見すると大きく改善しているように見えるが、47都道府県中では最下位。全国平均では35年には3.14となっており、大幅に下回っていることがわかる。

 問題点は、医師の高齢化、さらに患者の高齢化で仕事の負担が減少どころか、増加することが予想されている点にある。ちなみに、2010年並みに戻そうとすると、若手医師は週168時間労働になる。しかし、言うまでもないが、1週間は168時間しかない。

 2010年水準に戻すためには、後期高齢者死亡数指標では、220%の増員が必要。さらには地域医療を担う医師を育成する医学部を新設することも必要だとしている。





よかったらシェアしてね!
目次
閉じる