では増やす方法はあるのか
それなりの美術品を買おうと思えば、やはり1億円と言わず、もっと資金はあった方が良いのは言うまでもない。Aさんが行きついた方法は「投資」だった。しかしながら、自分の周囲を見渡してみると、成功している人はいなかったという。
知人が日本の某大手証券会社から、数千万円の投資信託を営業マンの言うがままに、買ってしまったのだという。日本株の投資信託でパフォーマンスは散々たる有様だったそうだ。それもそのはずで、89年のバブル崩壊以降は、日本株のストロングホールドで成功することは困難だったからだ。
「切手を売って、これに自分の退職金や家のお金を合わせて2億円くらいにして、それを投資で2倍に増やして4億円にできればいいかなと思ったのです」
個人投資家が2億円を運用して4億円に増やすのはたやすいことではない。そこで「海外にはいいヘッジファンドもあると聞いていますし、日本国内で年利10%以上の成績で運用できるものは、他には考えられないですから」とAさん。ヘッジファンドでの運用を考えているそうで、理論上は年利10%ならば複利ベースで、7~8年で2倍になる。