中国ではマセラティ購入者の30%が女性

 イタリアの宝飾品ブランド・ブルガリや高級自動車ブランドのマセラティは、中国では男性の成功の証として、広く受け入れられている。だが、他のブランドが進出を果たし、競争が厳しくなる中で、新たな戦略を打ち出している。それは“女性社長向け商品”の展開で、マセラティをはじめ高級ブランドを手にする女性の数は、年々増える一方だ。

 マセラティによると、昨年中国で販売された400台のうち、30%が女性の購入者。ちなみに05年は7%に満たなかった。さらに欧米市場では女性購入者の割合は2%から5%に過ぎない。「多くの人は、中国人男性が女性へのプレゼントとして商品を買っていたと考えていましたが、実際は女性が自分で買っていたのです」とマセラティの中国担当者は話す。

 マッキンゼーの最近の調査によれば、昨年中国の贅沢品市場、約150億ドル(1兆1500億円)のうち、女性の消費は半分以上を占めた。08年は45%で、昨年は08年に比べて20%増加したことになる。一方、男性の増加率は10%だった。

 マッキンゼーによると、このまま女性の顧客が増え続ければ、中国はこの先2年以内に、フランスのあるブランドメーカにとって世界最大の市場となるという。

 中国の女性は独立心があり、さらに事業を起こそうというエネルギーもある。こうして経済力をつけた女性は、ブランド品市場での存在感もますます高まるというわけだ。ちなみに世界の女性富豪ランキング20人のうち、11人を中国人女性が占めている。

 中国の大手企業でマーケティングマネージャーを務める孫さんも、そうした“実力ある”女性の一人。現在32歳の彼女は自分で1.26万元(約15万円)の鞄を購入したばかりだ。

 「ブランド品を買うと、とてもうれしく思うの。でもどうしてそう感じるのかはよく分からないわ」 

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる