ジョージ・ソロスはなぜ農地を買うのか?

 農地を新たな投資先に加えるヘッジファンドが出現している、とブルームバーグマーケッツ(BM)9月号が特集している。金を売却したジョージ・ソロス氏でさえも農地の開発会社に出資するなどしており、インフレは金から食糧に向かうのではないか、との今後の新たな市場展開を見込んでいるということではないか。

 BMによると、ヘッジファンド会社セレス・パートナーズは、農地投資が株式投資のリターンを上回ったのだという。同社は設立直後08年1月から今年6月までに、年平均16.4%のリターンを上げたという。リターンの大半は農民からの地代と土地の値上がりによるものだそう。

 ジョージ・ソロス氏だけではなく、世界有数の機関投資家である米ハーバード大学の基金、米教職員保険年金連合会なども農地投資に乗り出しているのだという。

 ソロス氏の動向から考えてみると、まだ上昇中の金を売って、新興国の農地を買うということは、食料価格が今後数年間で大きく上昇していくというシナリオを描いているということになるだろう。

 著名投資家ジム・ロジャーズ氏は、10年後に炭鉱夫や農業従事者はみんなランボルギーニに乗っていることだろうと述べたこともある。

 実際に、中国の鉱物資源の一大産地であるオルドスでは、大型四駆、高級車が飛ぶように売れているともいう。ただし、まだ農地ではこうした現象は見られない。

 つまり、大規模な農地を持たなくとも、みなさんの自宅の庭にある家庭菜園が大きなリターンを生み出す可能性も秘めているということだ。


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