中国鉄道省の格付け「AAA」の狙い

 民間格付け会社の評価に市場がナーバスになっている今、中国の格付け会社「大公国際資信評価」が、高速鉄道を所管する中国鉄道省に「AAA(トリプルA)」の格付けを行った。大事故を起こした鉄道省を信用してもいいものか。それだけに狙いが気になる。

 大公国債資信評価は、中国国債を「AA+」、米国債を「A」としている。米国債に関しては1段階引き下げている。どちらかと言えば、新興国の債券を高めに評価する傾向にあるようだが、中国のメディアでさえも中国鉄道省の格付けに関しては疑問符が付けられている。

 これは、中国の本体の国債よりも格付けが高いということで疑問視されているのだろう。
高速鉄道はあれだけの事故を起こして、しかもその後の対応があまりにも杜撰だった。今後の輸出戦略はまったくの白紙に戻ってしまった。

 鉄道省はこのたび、200億元の債券を発行している。これにお墨付きを与えるための格付けだったという理由はあるかもしれない。

 また、米国債の格下げは、大量保有国として米国への牽制のためではないか、とも思われる。

 鉄道省、米国債もどれだけ中国国家の意向が働いているのかは不明だが、働いているとすれば、中国はやはりかなりしたたかだ。


中国高速鉄道

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