19日のニューヨーク外国為替市場で戦後最高値となる一時1ドル=75円台になったが、この引き金はダウジョーンズによる中尾武彦財務官のインタビューも、何らかの影響があるのではないか、という見方も浮上している。
ウォールストリートジャーナルは、中尾財務官のインタビュー記事として、「円を特定水準に誘導するような持続的な介入を開始する計画はないものの、必要であれば『適切な措置』を講じると述べた。さらに、介入を頻繁に行い日常的な手段として使うことはないとした」と、紹介している。
また、今の円買いは日本のファンダメンタルの強さではなく、安全逃避のためだとの真っ当な意見も紹介している。
そして、問題はその次だ。文中には「このコメントの速報後間もなく円は対ドルで一時76円を突破して戦後最高値を更新した」とある。これってまさか…。
まるで、財務官発言が伝わったことが、ドル売り円買いを後押ししたかのようではないか。それまでは、76円台で何とか踏みとどまってきたドル/円相場。それは介入への警戒心があったからだろう。しかし、この発言がダメ押しした、と考えてしまう。