林原のスポンサーは「奥ゆかしく義理堅い会社」

 バイオ関連企業「林原」(本社・岡山市)の再建スポンサーに決まった長瀬産業(本社・大阪市)。岡山では、奥ゆかしさと義理堅さを持っている会社だと評価が高まっている。

 大阪の経済部に10年以上在籍した記者でさえも、「一度も取材したことがないし、名前くらいしかわからない」というほど。1832年(天保3年)創業という歴史ある企業だが、化学製品・医療品などの専門商社ということもあり、一般消費者には知名度は高くはない。

 会見では、通常なら買収した側の本社で行われるもので、このケースなら大阪になるはずだ。しかし、そうはせずに林原の本社がある岡山市で記者会見したのだ。地元の記者は「えっ、わざわざ来てくれるの、と思いました」と話す。

 しかも記者会見では、岡山の人が心配していた、林原が行ってきた美術品収集などのメセナ活動にも理解を示したという。また、林原を「わが社よりも知名度がある」と持ち上げるなど、奥ゆかしいというか、義理堅い面を見せていたそうだ。さすがは創業178年の会社である。日本の心をわかっている。

 同族企業という面でも同じであり、林原にとってはこれ以上他にないスポンサーといっても過言ではないだろう。

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