金価格の急騰によって、自宅で買い取るサービス、いわゆる「押し買い」の苦情相談が538件と急増しており、国民生活センターは注意を喚起している。
訪問して売るのが「押し売り」なら、訪問して買うのが「押し買い」。高齢者を中心に苦情が増えているのだという。
同センターに寄せられた相談事例によれば、、「認知症の高齢者の自宅で業者が貴金属を探していた」「連日、夜間にしつこく勧誘を行う業者に困っている」という恐怖を抱かせる内容の苦情があったという。
問題点としては、買い取り価格が市場から見て適正かどうか判らない、買い取りの明細を渡してくれない、また、保険証や運転免許証など個人情報を合わせて取られるので悪用が怖いなどというものだ。
2010年度の相談者の平均年齢は63.8歳。自宅への訪問による契約であるためか、女性の割合が高い(93%)ほか、職業別にみると家事従事者(55%)と無職(33%)の割合が高い。
同センターは、相手の業者の素性を確認したり、毅然と断ることなど注意を呼び掛けている。また、恐怖を感じた際には警察を呼ぶことを勧めている。