師匠の理想「無税国家」、弟子の現実「増税」

 野田佳彦財務相が民主党の新代表に決定し、松下政経塾の悲願だった初の首相誕生が迫っている。師匠の故・松下幸之助の理想である「無税国家」を野田氏は実現できるのか。増税容認派という認識が拡がっており、政経塾も悲願の首相輩出だけで喜べるのだろうか。

 今回の代表選に松下政経塾は出身者は2人が出馬。野田、前原の2氏。5人中2人が政経塾出身者だ。

 同塾は、現在のパナソニック創業者の松下幸之助が私財を投じて、1979年に設立した財団法人の政治塾。理想は「無税国家」の実現だ。

 「軽い」と言われ続けた政経塾OBの政治家たち。野田氏は1期生にあたる。29日の記者会見では自らを「金魚」ではなく「どじょう」と例えてみせるなど実直な印象を与えた。

 だが、すでに「財務省の言いなり」として見られている。担当記者の間では、すぐさま増税に踏み切るという見方はあるが、それは「無税国家」のための第一歩としての増税か。あるいは「無税国家」から袂を分かつ増税か。

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