新聞協会賞狙いか?
両社の時価総額は日立約1兆8500億円、三菱約1兆800億円。それに対して売上高では日立9兆3000億円、三菱2兆9000億円となっている。統合比率からすれば、日立が三菱を吸収する形になる。三菱としては、吸収されてしまうのは何としても避けたい、となるだろう。
ただ、取材過程だが、日立の社長がリークをし、それを日経が信用したと新聞業界では見る向きが多い。しかし、もう一方の当事者の三菱の社長は否定したのではないか、との声も出ている。それでも「日立の社長が言うなら間違いない」との判断で勝負に出たのか? あるいは進まない統合協議を、日立サイドが報道させることによって進展させようとしたのか?
それでも1面で強行突破したのは「新聞協会賞にインパクトのあるネタを出したかったのでは」という見方が新聞業界では出ているのだ。
というのも、昨年日経新聞社が新聞協会賞にエントリーした「駐中国大使に丹羽氏 異例の民間人」という記事は、夕刊紙「日刊ゲンダイ」が先に報じていたもので、あとから週刊誌などにも叩かれて散々な目に遭っていたからだ。
「今年こそという気持ちが強すぎたんじゃないのかなぁ」(全国紙幹部)と、名誉挽回を狙ったようだが、結局は勇み足で滑ったということなのか。
その後、日経の続報はない。