見学できるようになった時はシャープも終わり?
株主への落選を知られるハガキの後半部分
「選に漏れた株主には、来年の総会までに別途、機会を提供したい。ただ、見学会を開催できる日と1日当たりの人数に限りがあるので、希望がかなうかは保証しません」
総会で批判された案件だから、気を遣ってはいるが、最初から逃げ道をつくっているようにもとれる文章なのだ。
シャープの株主向け工場見学は、液晶と太陽電池のパネルを生産する「グリーンフロント堺」(大阪府堺市)を案内するというもの。部材、特殊ガス、超純水などの工場も敷地内にあり、2009年秋に稼動したとき、「21世紀型コンビナート」と宣伝された。
ただ、液晶でいえば、競争過多でテレビ向けは利益が出にくくなっている。スマートフォンやタブレット端末向けの中小型高機能パネルが、おいしい市場といわれるようになった。そんな中、東芝、ソニー、日立製作所の3社が、中小型液晶の事業統合を発表した。液晶の雄といわれたシャープの影はこのところ、どうも薄い。
「堺は大型テレビ向けが主体。見学できるようになったとき、ニュース価値がない工場になっているのではないだろうか」。今回の選にもれた株主は、こう心配していた。