「死の街」は問題発言なのか?

 「死の街」は問題なのか。

 鉢呂経産相が福島で東京電力福島第一原発の視察を行った際に、漏らした感想だ。

 これまでに、現場に入った記者からも似たような感想を聞くことはある。まずは言葉を失い、何とか見つけた言葉が不謹慎な言葉であったりする。ただ、衝撃を受けながらも、言うべきか言うまいか、かなり気を遣ってしまうのだという。結局は、飲み込んでしまうことがほとんどのようだ。

 朝日新聞の「WEBRONZA」編集長の一色清氏が自身のツイッターで「私はどこが問題なのかなあと思います」と発言。続けて「私も少し前に30キロ圏内の村に取材に入りましたが、真っ先に頭に浮かんだのは『村が死んでいる』という表現でした。それはいけない感想なのでしょうか」としている。

 結局は飲み込んで発言しないことで、福島県民の感情への配慮を行うのだが、鉢呂経産相はそれが足りなかった。さらに「放射能をつけるぞ」とまで記者会見で悪ふざけ。

 それよりも、「死の街」にした責任と、今後の対策を発言しなければならなかっただろう。わざわざ現場に視察に行った目的は何だったのか? そして、どのような情報を収集してきたのか、むしろそちらの方が問題かもしれない。

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