中国で、このほど2つの長者番付が発表された。中国の民間調査機関・胡潤(フージワーフ)研究院と米経済誌「フォーブス」によるもので、大手重機メーカー「三一集団」の梁穏根(りょう おんね)氏がいずれもトップに立った。総資産はフォーブスによると93億ドル(約7220億円)、フージワーフでは700億元(約8481億円)と発表された。
福島第一原発でも活躍の会社から7人も
梁穏根(りょう おんね)氏(フォーブスより)
この三一集団は、東日本大震災後、福島第一原発の冷却作業の為、1億円近いポンプを無償提供したことでも知られる。
フォーブスのランキングには、この三一集団から他にも7人がランクインし、最も多くの富豪を生み出した企業となった。フォーブス・シニアエディターの範魯賢(はん ろけん)氏は「富豪ランキング上位400人の中に、1つの企業から7人もランクインしたのは、中国富豪ランキングを作成して以来、初めてのことだ」と驚きを隠さない。
この三一集団には、「朝食会」という習慣があることが知られている。これは、一日のうちで一番仕事に向いている時間帯は“朝”という考えのものと、梁会長と各幹部が朝食を取りながら、会社の方針について話し合いを行っているのだ。幹部たちは皆額に汗しながら、様々な議題について質疑応答を繰り返し、梁会長の話さえ、途中で遮られることもあるという。こうした毎朝の真剣な話し合いが、三一集団の急成長を支えているのは間違いないだろう。