増税で米国民の8割が億万長者になることを諦めた

 米国はかつて富裕層への減税に対して寛容だと言われてきた。それは、自分自身が億万長者になった時のことを考えているからだという。しかし、オバマ大統領が発表した「バフェット・ルール」なる富裕層増税を行うことで、米国人の約8割が今後は億万長者になる人が減ると考えていることがわかった。

 AP通信ーCNBCが合同で行った意識調査で、今後10年間で億万長者になることは「極めて困難」「困難」と答えている人が合計79%に上ることがわかった。

 ホワイトハウスが発表した、富裕層に対する増税案の概要は、年収20ドル以上の個人、世帯収入が25万ドル以上の富裕層を対象に税額控除を縮小する。また、石油業界、プライベートジェット保有企業、ファンドマネジャーらの税制優遇措置を見直すなどというものだ。

 稼いでも取られる物が多ければ、それだけチャンスは遠のいていくばかり。チャンスの芽を確実に摘み取られることになる。

 また、バフェットルールの提唱者でもある、投資家ウォーレン・バフェット氏のように、株式投資で当てるという方法もあるが、全体の62%が最近の市場が激しいボラティリティのせいなのか、投資に自信が持てないと答えている。

 米国の富裕層人口は300万人以上で、世界でも最大。この政策が今後、その数をどのように左右していくのか注視していく必要がある。


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