財産を守るため、より良い社会、教育環境を求めて…今、ますます多くの中国人富裕層が外国籍の取得を希望している。
北京の不動産会社を経営する男性は、いつの日か中国を離れる日が訪れるのを切に願っている。その一番大きな理由は、財産を保護するため。そして、2番目には子供により良い教育を受けさせるためだが、そう願うのはこの北京男性だけではないようだ。
外国籍を取得するために海外投資を始める富裕層は増加する一方だ。外国籍を取得できれば、国際貿易や海外旅行がよりし易くなるし、何より“中国”を離れることができるからだという。
中国移民が多いのは、アメリカ、カナダやオーストラリアという国々だ。中国富裕層はヨーロッパ諸国の教育環境や医療保障を称賛する。2010年、6万8000人近い中国人が、合法的にアメリカの永住権を取得した。この数は、同年に米国永住権を取得した外国人の実に7%を占めている。
中国ではマンションを買ったとしても70年後には国の物だという。だが、海外なら永遠に個人の物になる。
中国北京移民顧問公司の担当者によると、ここ15年、海外に移住したい富裕層は増え続けており、その目的は、子供の教育やより良い医療のためだという。しかし、中には違法に金儲けをした役人や商人が、海外に逃亡する例もあるそうだ。
また、中国国内でビジネスを続ける一方で、グリーンカードを取得し、妻子だけでも海外に送ることを希望する人もいるという。
中国富豪ランキングの創始者フージワーフ氏によると、中国人富豪にとって外国籍を取得することは、保険と同じことだという。中国招商銀行などが行った調査によると1億元以上(約12億円)の資産を持つ2万人のうち、27%が既に海外移住しており、47%が移民を検討していることが明らかになっている。