OB会長の悲哀、70歳で中日監督

 プロ野球中日ドラゴンズの落合博満監督(57)が今季かぎりでの退団が決定し、後任には高木守道氏(70)の就任が決定した。あえて高齢化させるという、時代に逆行する異例の人事。チームの危機に際してOB会長が泥をかぶったという声が地元から聞こえてくる。

 いつの時代もOB会長はつらい。70歳にしてプロ野球の監督というハードな仕事をしなければならないとは、随分と酷な話しだ。通常、プロ野球監督の年収は3000万円前後と言われるが、心身ともに割に合う仕事とは言いづらい。

 地元・名古屋のマスコミ関係者は、この人事について「落合さんをいつ切るかというのは懸案事項でしたが、後任といっても、立浪さん、井上さんではまだ早い。OB会長がなるのが一番、波風が立たないからです。高木さんも仕方がなく一肌脱いだと思います」

 OB会長がやれば、誰も文句は言いにくい。あいつの所には監督就任の打診があったのに、俺のところには打診がない。など、プロ野球の監督、コーチ人事でも毎年のように激しい怨嗟がある。

 8年で、リーグ優勝3度、日本一1度という成績に比較して観客数、営業成績は低迷。両方を満たすという難しい役目は誰も受けたがらない。そうなると、やはり高木さんの再登板しかないというわけだ。そこにさらに、次世代へのスムーズな禅譲という大切な役割も求められる。

 読者の中にも、何かの組織のOB会長を務めている人もいることだろう。組織が揉めた際には、ワンポイントリリーフとしてOB会長が出てくるというのは、今も昔も変わらないようだ。

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