音にうるさい富裕層、クリエイターが認めた
クリエイターたちが認めたブランド
音の世界は、何年間という時間を掛けたから、または何百万円お金を費やしたから、というだけでは簡単に極めることができない。単なる趣味でしかないが、それほど奥が深いものだ。しかし、今、音響にこだわりを持つ富裕層や進歩的なクリエイターの間で密かに実力を認められているスピーカーがある。それが「KOI TIGER」。
まだ店頭販売が行われていないためにあまり一般には知れ渡っていない。この製造元の米国メーカーの名前もまだまだ浸透していない。しかし、重さわずか 1.2kgというコンパクトなボディーから発せられる音は、聴き手には見た目から受ける印象をはるかに超える驚きを与えるだろう。
スピーカーは大きいほどいい?
重さわずか1.2kg
1.2kgの重さに、横7cm、高さ8cm、奥行き15.5cmのサイズ。従来は大きいものでなければ良い音が出ない、と信じ込まれてきた。もちろんメーカーにとっても、技術的に小さなモノで大きいモノに負けない音を出すということは難しいことだったそうだ。いかにワット数を大きくするかということに注力してきたと言ってもいい。また、消費者も「自分のは何ワット」だというように、その点にこだわりも持ってきたのも事実だった。だが、肝心要の音楽を聴く人間の耳にはどのように届いているのか、という心理音響学の視点はまったく欠けていた。
全米発明賞も受賞
27万円で200万円級の性能
大きさの先入観にとらわれていたスピーカー業界。大手メーカーでスピーカー製作に携わっていた山本修士氏もそんな神話に疑問を持つ数少ない一人だった。大手メーカーでの安定した地位を捨て、KOIを創業し歴史を変えた。音楽界に優れた人材を数多く輩出している米バークリー音楽大学との数年間にわたる共同研究により、人間の音の感知力にたいしてストレートに響くスピーカーが完成。小さなドライバーながら特許出願中の熱伝導設計によって飛躍的にパワーを高めることに成功したのだった。これで画期的な発明をした研究に与えられる権威ある賞「全米発明賞」(2001年)も受賞した。
ちなみに、従来の技術でこれだけの性能を出そうと思えば、英国メーカー製の重さ118kg、価格115万円×2というクラスのものでなければ無理だったといわれている。事実、主に大きさを競っていた時代は性能の面で大きな飛躍はなかったとも言われている。しかし「-TIGER」は27万円という低価格で実現。まさに音響の世界では革命的な出来事だった。
従来のモノとの違い
関係者たちも使い始めた
これまでのスピーカーの音は直線的に発せられていた。リスナーのいる位置によっては音の死角となる場所が多く生まれていた。そのため臨場感やノイズレベルなどで、実際には聴きづらい面もあったという。しかし「KOI―」は、点音源型スピーカーと言われ、スピーカーを円の中心点にして、そこから水面の波紋のように音が広がっていくために、音ムラが大幅に減少することにより従来の欠点が解決されたという。
ノイズも少なく原音に近い音で再生されるために、音の良し悪しがハッキリとわかるのだという。今ではその評判がひろがって音楽家、さらには全国の学校の合唱部、吹奏楽部などでも使いたい、という人が増えているそうだ。次はあなたが音にこだわるクリエイターとなる番だ。