自称カリスマ女性実業家を逮捕

 中国ビジネスのカリスマ女性実業家として一時はもてはやされた、衣料品販売会社「U.F.O.」の社長、谷絹子容疑者と夫の誠容疑者が、民事再生手続きで虚偽報告を行っていたとして民事再生法の疑いで、大阪地検特捜部に4日逮捕された。粉飾が発覚しないように工作したと思われ、どこまでもカリスマを維持しようという姿勢を見て取ることができる。

 NHKによると、谷容疑者は、中国で製造した婦人服を日本で販売して業績を伸ばし、一昨年の決算で、売上高を895億円と計上していたという。その後、資金繰りが悪化し民事再生法の適用を申請していた。負債総額は368億円。

 谷容疑者は、脱サラして事業をスタートし、中国でビジネス展開して成功しカリスマと持ち上げられるようになった。

 著書「ついに出た!中国ビジネス虎の巻」では言いたい放題。まえがきには「世の中に出回っている中国ビジネスに関する出版物は山ほどあるが、核心にふれたものは見当たらない」などとし、自身の経験こそが正しいということを書いている。

 メディア出演も多数あるが、上海の国際空港に自分の個室があると話すなど『虚言癖』があるとも言われていた。

 そうした口のうまさから、メガバンクなどから300億円以上の融資を引き出し大型経済スキャンダルへと発展している。しかし、実態としては、過去に某地銀が起こした訴訟では差押えできるようなめぼしい資産はなかったということが分かっている。

 虚言癖で始まったカリスマの物語は世間ではすでに終わっているが、自身の中ではまだ続いているようだ。

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