米アップルはナスダック市場において、ここ10年間で株価を約40倍にしたのは投資家の間では周知の事実。一方で、アップルのおかげでライバル企業たちは時価総額を3110億ドル(約24兆円)も失った、と米著名投資家ジム・クレイマー氏がCNBCで述べた。
創業者スティーブ・ジョブズ氏が亡くなって、6日のナスダック市場の米アップル株は、前日比0.88ドル安の377.37ドルと下げた。しかし、その一方で、ライバルたちは10年で24兆円もの時価総額を失っていたのだ。
例えば、タブレット端末機「iPad」の登場で、パソコン製造会社デル、ヒューレットパッカード、さらにOSを提供するマイクロソフトも含めて株価は合計1270億ドルが失われたという。
そしてとどめは07年に発表のスマートフォン「iPhone」シリーズ。これによって、
モトローラ・モビリティ、ノキアなどから1080億ドルを奪っていった。
また、iPodによるソニー、ワーナーミュージックの下落分、パソコンなどにデバイスを提供するウエスタン・デジタル、シーゲート・テクノロジーなどの下落分など、それらすべてを合わせると、約24兆円にも上るという。
各社は失われた24兆円分を取り戻すことができるのか。アップルも奪うのに10年かかったために、一朝一夕には難しいだろう。
こうしたことを踏まえて、クレイマー氏は「アップルに対して、世界は勝ち目はない。スティーブ・ジョブズが逝っても、アップルのストーリーはまだ終わっていない」と語った。