アップル創業者の故スティーブ・ジョブズ氏は、なぜ同じ服装にこだわったのか。ジーンズ、黒のタートルネックセーター、スニーカー。これは、ソニー、ISSEY MIYAKE(三宅一生氏)の影響なのだという。
米IT系サイトGAWKERによると、ウォルター・アイザクソン氏が書きおろし、近く発売されるジョブズ氏の伝記「スティーブ・ジョブズ」(邦題)の中で初めて明らかにしているという。
80年代にソニーの工場を見学したジョブズ氏。みんなが同じ制服を着用して作業を行う光景を目の当たりにしたという。その制服は、三宅氏がデザインしたものだった。
ジョブズ氏は興味を持ち、三宅氏に何度も話を聞くようになったという。三宅氏はサンプルをジョブズ氏の元に何度か持っていったそうだ。これで、アップルも制服を導入するのか、と思いきや、そうではなかった。自分の「制服」にしたのだ。
ジョブズ氏は、アイザクソン氏のインタビューで自宅のクローゼットのセーターを披露し「これはわたしの一生分の服だ」と説明したそうだ。
ちなみに著者アイザクソン氏は、過去にはアインシュタイン、ベンジャミン・フランクリンの伝記も手掛けたこともある、その道の大御所である。取材嫌いのジョブズ氏も、自身の死期を悟り、すべてを打ち明けようとしたのかもしれない。