ドイツの放送局ZDFが、東京電力福島第一原発で働く、下請け会社の作業員のインタビューを行い、「取材を受けない」「後で病気になっても訴えを起こさない」などの条項が入った契約書にサインをさせられるといい、労働環境とも合わせて「これが日本式の人権蹂躙である」と放送している。
これは、以前にも福島第一の原発の映像使用や、爆発音の編集などを巡って揉めたことまおる「フロンタール21」のシリーズ。
取材に対して作業員2人は「この地方にもう仕事はありません。だから東電の仕事をしています。しゃべったことがバレたらクビです」などと答えている。
東電と下請け会社は情報漏えいを警戒して、作業員と報道関係者との接触を禁止する契約を結ばせているのだという。2人は作業所からはかなり離れた場所にあるスタジオで取材を受けたという。
ただ、最近になって、「ふくいちライブカメラ」で指さしをした男性ではないか、とされるフリージャーナリストが自身の作業員証のコピーを持参して、東電本店の会見に出席するなど、管理が杜撰になっているという感はいなめない。
作業員の労働環境についてだが、危険で劣悪なことが短い証言からでもうかがうことができる。「命の危険がある場所がどこか教えてももらえない」「日給約1万円で、後で病気になっても、訴えを起こさないという同意のサインを求められる」などというものだ。
ZDFはドイツの原発作業者は生涯400ミリシーベルトと紹介し、一方の日本は毎時100マイクロシーベルトで年間に換算して876ミリシーベルトになる、と指摘している。
そして、最後に「これが日本式の人権蹂躙である」と締めくくっている。