オリンパスの社長を解任された、マイケル・ウッドフォード氏が菊川剛社長にあてた手紙を米NYタイムズで公開し、その中で会長に辞任するように迫り、解任された日に面会して話し合いを持つつもりだったということが18日わかった。
攻撃を受ける前の口封じか? ウッドフォード氏がNYタイムズで公開した文書によると、問題点を菊川会長に突きつけて、辞任するしか方法はない、と迫っている。
書面は、オリンパス社の正式な用紙、様式に則って書かれている。ウッドフォード氏は菊川会長を「親愛なるトム」との書き出しで始めている。
文面によると、Gyrus社買収の際にアドバイザーに対して支払った6億8000万ドルは一般的な相場の値段を超えるもので、しかも取締役会の承認決議もなかったという。アドバイザーの中にはケイマン諸島の実態のハッキリしない会社もあったようで、それをよく調べずに支払ったこともあったという。
また、ウッドフォード氏は自身でプライスウォーターハウス(大手会計事務所)に調査を依頼。その結果として、これまでの総額で約13億ドルもの株主価値を棄損してきた、と結論付けた。さらに、その経営の意思判断は、ほぼ菊川会長をはじめ一部で行ってきたと、主張する。
そうしたことを踏まえて、会長に辞任を要求。しない場合には刑事告訴などの可能性もにおわせている。そして自身が解任された14日に会長に面会を要求し話し合いの場がもたれようとしていた。
ウッドフォード氏は引き下がることはなさそうで、両者間の戦いは終わりそうにない。
この日の東京株式市場で、オリンパス株は前日比138円安の1417円で取引を終え、年初来安値を更新している。