FXで花嫁資金を失うも、成功しPTになった美女「敏腕美人FXトレーダー(6)」

母にはお金を絶対に返す

 FXで全部なくした、とは口が裂けても言えないが、それでも何とかしなくてはならなかった。長坂さんが結局行きついたのが、衣類、雑貨などのネットショップだった。アジアに出向いて、安く商品を仕入れては、高く売ることの繰り返しで徐々にではあるが、商いを軌道に乗せていった。

 「手元にお金がなかったので、衣類を扱うことから始めました。価格競争が激しいのですが、うまくいくようになって、3ケタ以上の売上になりました」

 儲けが大きくなってくると、税務申告の手続きが煩雑になってくる。また、長坂さんは税務調査も受け「税理士の先生にも協力していただいたのですが、書類を揃えたり、税務署に何度も同じことばかり聞かれたり、たいへんでバカらしくなったので…」と感じたそうだ。


コンドミニアムの建設工事現場 (マレーシア・ジョホールバル)
 海外志向になっていた長坂さん。すでに、フィリピン、マレーシアの不動産物件をいくつか取引していたのだった。税務関係にかかる時間を考えると、こうした国々は何とも大らかに感じていた。

 「パスポートがあるんだから」と、パーマネントトラベラー(PT)になることを決意した。しかし、その前に母親に話をしなければならなかった。

 ※PTとは、文字通り「終身旅行者」で、どの国にも定住せず旅行者として過ごす行き方。元々は高額な税金の支払いを嫌った富裕層に認知された。また、大災害、軍事的問題、国家破たんなどカントリーリスクを織り込み、リスク分散するライフスタイル。

1 2 3
よかったらシェアしてね!
目次
閉じる