「ジョホールバルの悲劇」も今や日本からのPT多数
「いいよ。頑張ってね。たまに帰ってくるんでしょ」
母の返事はあっさりしていた。長坂さんは、さっそく住民票、保険などの手続きにかかった。役所の窓口では初老の女性職員に「保険が受けられなくなりますよ」と諭されたそうだが、その程度では心は揺らぐことはなかった。
長坂さんは現在マレーシアのジョホールバルに住む。シンガポールとの交通の便もよく、富裕層が豪邸を建てたり、あるいはマンション開発が進んだりしている。長坂さんはプレビルド(竣工前)のマンションを購入(ローン)しており、1年で20%以上も価格が上昇しているのだという。また、フィリピンのマニラでも同様に購入しており、こちらも20%以上の価格上昇だという。
プレビルドで買って、竣工すれば売る。これは、中国人ら海外の投資家が新興国の不動産物件でよく使う手法。長坂さんは竣工時に一部を残しては売却するつもりだという。そして、将来的には不動賃貸業、ビジネスの立ち上げを予定しているそうだ。また、長坂さんは自身の経験を知ってもらいたいと無料メルマガも配信していくという。
マレーシアで勉強会を行う
日本人投資家たち
長坂さんは現在28歳。同じマンションには、30、40歳代の日本人投資家らが多く住んでいるのだという。PTを選ぶ人は確実に増えているのだ。
長坂さんは現在、FXトレードはほとんどしていない。ちなみに、娘のPT生活を応援してくれる母に、花嫁資金は完済したそうだ。
※マレーシアの個人所得税は累進で最高26%(JETRO)