10月初め、カナダのワイン店が2008年ボルドーを売り出すと、多くの中国華僑が列をなして買い求めた。理由は中国市場でのワイン高騰にある。とにかく今、高級ワインが高く売れるのだ。
例えば、今回売り出されたワインは1800カナダドル(約13万円)で販売されたが、これを中国に持っていけば最高で8000カナダドルと3倍以上(約60万円)の値段になる。中国市場の“ワイン旋風”は空ビンにさえ高額な値段がつくのだという。
この現象はフランスの高級ワインだけに限らない。例えばカナダのワイン産地ブリティッシュ・コロンビア産のものでも中国市場では十分に喜ばれる品物だ。
なかには、中国人富豪からカナダでの代理購入の依頼を受けたという人物も。08年ボルドー産の売り出しに、一人150元(約6000円)で4人の若い中国人華僑を雇い、前日の夜8時30分から店の前に並ばせたのだという。
次回、購入予定だという、5大シャトーの一つ、シャトー・ラフィット・ロートシルトの08年ワインは、カナダで1888カナダドル(約14万円)のものが、中国に持っていけば最高で5万元(約60万円)になることもあるという。
8の文字が書かれ、さらに値段が1888カナダドル。中国で数字の“8”は「財産が生まれる」という意味があり、縁起が良い。この年の葡萄の質がどうあろうが、中国人は飛びつくと見られている。
5大シャトーのワインは、中国では空ビンにさえ2000元以上(2万4000円)の値段がつくこともあるという。なかには、何も知らない市民を騙す悪徳詐欺が行われており、中国では、何にしても本物を見極める目が大事なようだ。