「トレーダーとして、わたしは優秀ではない」。著名投資家ジム・ロジャーズ氏が来日し25日、東京都内で投資家向けの講演を行い、市場に現れる微妙な変化のサインを見逃さずに投資することが重要だ、と説いた。それが中国であり、コモディティーであり、そこへの投資を継続して行っていることを明かした。
時代の変化を見逃した人は財産を作れない
ジム・ロジャーズ氏
中国は世界で最も資本主義が機能している国で、共産主義にだまされてはいけません。インフレも過熱気味で、不動産バブルが起きていますが、問題が起きても、台頭が終わったわけではなく、わたしは投資の機会だととらえています。
米国は今や世界最大の債務国です。その債務は減少せずに、今でも増加しています。1920、30年代に世界の中心が、英国から米国に移って行ったように間違った政策で、そのシフトを加速させました。
そして今は米国からアジアへのシフトが起きています。政治家の政策の誤りや、金融危機でさらに加速しています。いまや、富がアジアに集中しています。
この事実を見逃した人は財産を作るチャンスを見逃しているのです。財産を作ることができるのは、時代の流れを敏感に感じ取った人だけです。
そして、米ドルが衰退していることを理解しておかなくてはなりません。ちなみに、わたしの娘は米ドルではなく、アジア通貨で預金しています。それは、米ドルが問題のある通貨だと知っているからです。