大富豪でアールデコの芸術収集家として知られるクロード・ドレイ氏(76)が25日朝、パリ郊外ヌイィの自宅で銃撃されて死亡しているのが発見された。警察は殺人事件として調べている。
ル・パリジャンによると、仏時間の25日午前11時に、バトラーがレイ氏の寝室に入ったところ、倒れて死亡しているのを発見し警察に通報したという。警察の調べによると、遺体のそばにはアタッシェケースが3個置かれているだけで、部屋や衣服の乱れがなく争った形跡は確認されなかったそうだ。
また、銃声を誰も聞いていないことからサイレンサーが使われたのではないかと見られている。24日夜~25日にかけて射殺されたものと推定され、警察はプロによる殺しの可能性もあるとしている。
ドレイ氏は不動産取引などで財を成して、アールデコの芸術品を次々と買いあさった。しかも、アートに関しては気難しいことで有名だったらしく、買値の提示したコレクターが3分の1に値下げされたこともあったそうだ。
1年のほとんどを買収した米マイアミのホテルで夫人と2人で過ごすことが多いそうで、仏の自宅にいる日は少ないという。殺害時には、夫人はマイアミだったという。
クロード・ドレイ氏(左)=08年12月、パリ=