MFグローバル会長退職金9億円は「パー」?

 連邦破産法に基づく会社更生法の適用を申請した米証券会社MFグローバルのジョン・コーザイン会長は、1200万ドル(約9億3000万円)の退職金をもらえることになっているが、今回のケースではもらえそうにないという。

 米フォーチュン誌によると、同社の特別条項には違法行為を犯した場合には退職金は支払われないというものがあるといい、現在、顧客資金を移し替えた可能性を当局から指摘されている。

 また、AP通信によると、MFグローバルの幹部は、当局に顧客資金の流用があったことを認めている。

 コーザイン氏はゴールドマンサックス(GS)の債券トレーダーとして活躍し、米上院議員などを経て、昨年からMFグローバル会長に就任。MFをGSのような強い組織にしよう、という意識が空回りし、法の意識も狂わせてしまったようだ。

 コーザイン氏は11年3月期の年間報酬は430万ドル(約3億4000万円)、1100万ドル(約8億6000万円)のストックオプションを付与されているという。

 退職金を受け取れないどころか、もしこのまま行けば顧客からの訴訟ラッシュに遭うことは、今から予想できる。名士も晩節を汚すことになりそうだ。

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