大阪W選、橋下氏が去った府庁は職員が祝杯

読めない票の行方


 職員の給与の削減で年350億円捻出したことを言いたいのだが、やめるといったはずの府債を発行し、債務残高は6兆円を突破。自らの音頭とりで大阪市から買収した府咲洲(さきしま)庁舎(旧WTC、大阪市住之江区、55階建て)は、東日本大震災の後、耐震強度が不足していることが露呈し、今後35年間の補修費・改修費の合計予想額が220億円ともいわれている。その責任は放り出したかたちになっている。

 このところ、橋下氏の生まれ育ちについて、雑誌メディアが多く取り上げている。書かれている中身は、地元記者には既知の事実ばかり。それがいまになって全国メディアに書かれるのは、「あの人柄ゆえではないか」(地元記者)とも。

 出自について書かれることについて橋下氏は、「私や妻はいいが、子供たちへの配慮はないのか」と憤ってみせた。だが、「家族が最優先である人間は、公人になるという選択をしてはいけない。政治家としては矛盾した発言だ」(経済界関係者)と突き放す声があった。


平松邦夫市長の公式サイトより
 大阪市長選は現在、現職の平松市長と橋下氏が、互いを批判するキャンペーンを繰り広げ、泥仕合になっている。票読みは意外に難しいようで、ある新聞は、平松、橋下両氏の人気が拮抗していると報じたが、別の新聞は橋下氏の圧倒的人気を掲載していた。

 果たして橋下氏は市長選を制し、維新の会で掲げている大阪都構想へ一歩踏み出すことができるのだろうか。全国的に注目される大阪決戦が刻一刻と近づいている。

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