ロシアの超大金持ちの貴族のご婦人がすってんてんになるまで、ルーレットにのめり込んだ話を通して賭博者の深層心理を鋭くエグった作品に、ドストエフスキーの『賭博者』がある。今、日本で最も騒がれている二大賭博者は、大王製紙の井川意高、オリンパスの菊川剛の両前会長だろう。この作品の中に答えがある。
@dostobotさんの次のツイートが秀逸だ。
「真のジェントルマンは、たとえ自分の全財産をすってしまっても、動揺してはならないのだ。 ―賭博者」
大王製紙の井川前会長は、マカオのカジノでバカラにはまって100億円以上をスッてしまったとされる。また、菊川会長は一部で「ギャンブラー」とも報道されたように、割と投資にはのめり込む気質だったようだ。
その結果、出たのは多額の損失。それで、自分で自分の始末がちゃんとできないために、周りの人に迷惑をかけてしまう。会社のお金がポケットマネーのごとく使われるのだが、そんな悪事は隠しきれない。
つまり、2人とも真のジェントルマンではない。今年の日本の二大経済事件? になることは確実視されるが、ただ、それだけのことなのだ。日本のエリートは劣勢になると弱い。
ドストエフスキー