巨人愛のクーデター「清武の乱」は失敗か

出向役員の悲哀も重大な掟破り

 「とんでもない話。かばうことできない」(桃井オーナー)とするなど、清武氏は孤立してしまった形だ。

 また、文部科学省での会見についても、特に文科省に何かを報告をしたわけでもなかった。それは「球団事務所で会見の許可が出なかっただけでは…」との見方もある。つまり、討ち死にを覚悟の上で戦うことを決めていたのか?

 そして一夜明けた13日に、渡辺氏も声明を発表。「悪質なデマゴーグ」とまで言われてしまった。

 「親会社から球団に出向した幹部は、自分でどんどん何かをやりたがるタイプか、親会社の顔色を見るタイプに分かれます。清武さんは前者でしょうね。ただ、それも渡辺さんの後ろ盾があったから色々な政策を打つことができたのも事実です。謀反を起こしたとなると、今後は厳しいでしょう」(元プロ野球担当記者)

 どんなに大声で「ジャイアンツ愛」を叫んでみても、一サラリーマンにプロ野球の運営は正直難しい。いわゆる関連会社出向だが、清武氏もその犠牲になったという同情もできなくはない。

 しかし、巨人は一つだけ大きな間違いを犯したことは事実。それは、プロ野球マスコミの鉄の掟として、日本シリーズ中はどんな大きなニュースも控えるというものだ(突発事項以外)。それを自作自演で日本シリーズよりも大きなニュースを提供してしまった。結局、巨人は、現場やファンを軽視したという汚点だけを残したのが、今回の騒動だ。

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