年収1000万円台がゴロゴロと噂の業界

漫画家の副業

 数年前、品川かおるこさん(ペンネーム)という同人誌作家が、同販売で3年間で約2億円の所得を得たが、所得を約2000万円と過少申告し、脱税で6570万円の追徴課税を受けたことがあった。

 また、漫画家が副業として同人誌を作成し1000万円以上売り上げる場合もある。「売れない漫画家」の収入源としても同人誌は活用され、連載が決まるまで、同人誌を販売して糊口を凌ぐというわけだ。出版社にマージンが取られない分、売れるほど所得が多くなっていく。

 だが「売上が1000万円を越える人はごくわずか」と前述のAさん含め多くの同人誌作家は口を揃える。同人誌の販売価格は、1冊400円~1000円程度、印刷代も馬鹿にならない。売れなければ在庫になり、印刷代も回収出来ない。専業の同人誌作家になったとしても、その道のりは険しい。

 それでもAさんは「仕事では予算、納期、そう言った負わなければならない事が沢山ありますが、同人誌の制作にはそれがありません。自分が頑張れば成果が出ると思っています」と言う。

 同人誌作家は自分の時間を投資する。社会人として働きながら余暇を同人誌を作成する。売れたいという事もあるが、純粋に「自分の作品を皆に見てもらいたい」という思いもある。厳しい世界だが、市場規模からすれば、将来のスターが生まれることは夢ではない。

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