オリンパス不正の温床、ある現役社員の戦い

 20年以上にもわたり損失隠しを行ってきた大手精密機器メーカー「オリンパス」。あまりにも悪質な企業事件に発展したが、同社には公益通報を行い不利益な配転をされたとして損害賠償などを求め訴えていた訴訟の控訴審判決で、逆転勝訴した現役社員がいる。訴訟を振り返るとともに、社内の体質、風土について考えてみた。

オリンパスの不正を内部通報

 2000億円以上の巨額の資金が闇社会に流れたと報じられたオリンパス。事件は新局面を迎えそうな展開であり、ついに行くところまで行きついた感がある。


オリンパス本社
 今回の事件との関係はないものの、2007年に、内部通報制度によって不正の恐れがある取引をコンプライアンス室に内部通報した社員がいた。濱田正晴さん(51)は07年、当時の所属部署の上司が、取引先企業の機密情報を知る社員を引き抜こうとしているとの情報をキャッチ。不正競争防止法に違反するとして、上司に報告するも聞き入れられなかったため、コンプライアンス室に内部通報制度に基づいて通報を行った。

 濱田さんは15年の営業職としてのキャリアがありリーダーも務めていたが、突如配転に。
実は、内部通報の事実が人事や上長らに漏らされていたのだった。

 元々は技術職だったが「当時は営業が少し弱いということもあったのですが、開発側の気持ちがわかっていることが営業に役立つと思い、自分から希望しました」と営業職に異動した。それから15年以上に渡って、営業職としてオリンパスに貢献してきた。しかし、会社を守ろうとした行動がアダとなり、会社に裏切られてしまったのだ。

 東京地裁の一審判決は訴えを退けられたが、今年8月、東京高裁で配置転換は不当だという逆転判決が下された。

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