欧州の小国に消えたオリンパスの闇金

20年前、素人は使わなかったスキーム

 LGTは現在、日本では投資顧問業として金融庁の登録を受けて営業しているが、当時は規制も緩いもので、東京・六本木の高層ビルにオフィスを構えて、数人のエージェントが活動していたという。

 全国紙社会部記者によると、ここには当時、オリンパスと深い関係にある「ITX」幹部の弟(元野村証券)が在籍していたという。この野村OBが、今回の損失隠しスキームのカギを握るとされる人物の一人であるという。現在は飲食産業を生業とし、銀座の高級バーなどのプロデュースなども行っているようだが、海外投資スキームの“素人”であるオリンパス経営陣を指南するのはたやすいことだったろう。


マイケル・ウッドフォード元社長
 当時の日本のLGTを知る人物は「付き合いはありませんが、正直、どこから来たんだ、という怪しいエージェントもいたと聞きます。また、顧客でも、昔からリヒテンシュタインを使う人は普通ではありません。マネーロンダリング、もしくは脱税という目的の顧客も多かったでしょうから…」という。

 現在では、LGTがシステム開発の社員が銀行とトラブルを起こし、顧客データを大量に盗んでドイツの税務当局に売却。帝京大学の元総長の相続遺産があることも発覚するなど、手の内も明らかになってきている。ただ、当時としては、ほとんどの日本人が知らない手法を駆使していたため、20年以上も隠し続けることができたのだろうか。

 同社は、第三者委員会がきょう6日にも調査結果を発表するとしている。誰が何をどうやったのか、損失隠しのスキームが明らかにされる。

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