急拡大する中国贅沢品市場の裏側

 今、中国市場には世界中の高級ブランドが次々に参入し、中国人の間に”贅沢品フィーバーを巻き起こしている。

 今年6月、世界贅沢品協会と中国貿促会貿易推進センターが発表したデータによると、10年2月~11年3月までの間に、中国贅沢品市場の消費総額は107億ドル(約8300億円)を超え、世界全体の4分の1を占めた。

 すでに全世界の3分の2の高級品ブランドが中国に進出しており、来年には日本を超え、世界第一の贅沢品消費国となるとの予測もある。

 だが、こうした贅沢品フィーバーの裏に中国ならではとも言える様々な懸念が存在する。

 その懸念の1つは、“金持ちではないのに贅沢品を求める”人が出てきているという点。世界の贅沢品消費の平均水準は、自分の財産の4%ほどだというが、中国では40%かそれ以上をつぎ込んでいる人も珍しくない。

 彼らは、ブランド品を身につけることによって、豊かになったと“自己暗示”しているようにも見える。この背景にあるのは“メンツ”を重んじる中国の伝統的な観念だ。周囲の人より自分が豊かであることを示す方法として、ブランド品が重要な役割を果たしているのだ。特に、貧富の差が広がる中国では、ブランド品を持つことは、上流階級として区別される一つの目安になっている。

 2つ目の懸念も中国ならではだ。贅沢品の多くは自分が身につけるものではなく、“贈答品”として重宝されている。特に、その“贈答品”は“賄賂”として使われることが多く、アメリカメディアが報じたところによると、中国の贅沢品市場の実に半分が、賄賂として使われているのだという。

 “メンツ”を求めて急拡大する中国の贅沢品市場。だが、消費者心理は決して成熟したものとはいえないようだ。

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