日本のバフェット・竹田和平氏に聞く、配当投資のススメ「配当は増え続ける」

不況の時こそ貯徳だ

 今の時代は、1929年のニューヨーク株の大暴落から始まった大恐慌と比較されることも多い。この時は歴史上で見ても大きな転換点となった。今現在も転換点なのか? 竹田氏は「日本は80年ごとに変革を迎えている」といい、産業や景気は「変革→導入→成長→成熟→変革」の繰り返しになるのだという。今、まさに変革の時代ということだ。

 「私も戦後、食べるものに飢えて、お金にも飢えた時代があった。事業を始めるにあたってお金が必要な時期が長期にわたって続いて、人にも好かれる体質が、お金に好かれる体質だってことがわかった。つまり貯徳体質がお金を持ってきてくれるし、人間関係づくりに成功すれば事業もうまくいくようになってるわけ」

 竹田氏は第二次世界大戦の後、父親とともに故郷の愛知県で竹田製菓を創業。タマゴボーロをいち早くオートメーション化することで現在の基礎を作った。土地、工場、機械などの設備を揃えて軌道に乗せるまでには、多くの人の力添えがあったことは言うまでもない。

 竹田氏の言う変革とは、価値観の変革という風に当てはまる。つまり、今の不況を招くことにもなった過剰な金融資本主義から、徳が金を生むという価値観に転換する、ということのようだ。それを証拠に、竹田氏は実際に徳を強く意識するようになり、竹田製菓の業績は4月から改善に向かっているのだという。


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