ホリプロMBO、上場維持費用5000万円以上?

芸能プロにとって上場はゴール

 「TV業界が不況になった時に、率先してタレントのギャラを下げたのがホリプロさんをはじめ大手プロです。一時期、TVを観たら、さまぁ~ずさんばかりがやたらと出ている時がありましたが、四半期の業績を考えると、涙ぐましい努力だと感じます」と前出の経理マン。

 毎期のキャッシュフローを追いかけて仕事をすることも大切だが、人材育成など長期的な展望が芸能プロには不可欠だ。また、大手ともなればタレント、スタッフも多人数を抱えていく必要がある。

 「『売れないタレントをなぜ抱えているのか?』などと言われることもありますが、時代の風はどちらに吹くかわからないので、手広くカバーしておくことで、ヒットの可能性が拡がるのです」(同)


板野友美さん
 そうした証言を聞くとますます上場を維持する必要がないようにも思えてくる。ホリプロの他、吉本興業、エイベックス、ワタナベエンターテイメントなどは日本経団連の会員企業でもある。吉本興業は昨年2月にすでに非上場化した。残る上場芸能プロは、アミューズ、エイベックスとなる。

 MBOについては、株主の権利など保護などの観点からも問題視する向きもある。しかし「大手芸能プロの知名度はもちろん、社会的な信用も昔と比べると上がっていますし、上場の目的は十分達したのでは」(同)だという。

 時代の変化も大きいようだ。

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