中国人の心を揺さぶったポルシェに乗った少女

 中国・広東省で青いポルシェにのって登場し、人助けをした少女が話題となっている。

中国で「最も美しい少女」と呼ばれるように


「最も美しい少女」(weiboより)
 クリスマスの25日、広州海珠区で30代の女性が目眩を起こして路上に倒れていたが、誰も駆け寄って助けようとはしなかった。やっと誰かが救急車を呼ぼうとしたとき、青色のポルシェが颯爽と現れ、12、3歳の少女が中年の男性とともに、倒れた女性を車に乗せ、病院に搬送した。

 車は二人乗りで、少女はタクシーに乗ってあっという間にその場を立ち去ったという。この一幕は、野次馬たちによって写真とともにマイクロブログやネット掲示板にアップさた。ネットユーザーらは彼女のことを「最も美しい少女」と呼び、たちまちホットトピックになった。

 「路上で倒れている人を助ける…」当たり前のような出来事が、中国で、話題となっているのには理由がある。中国では「人助けは損をする」という風潮があるのだ。きっかけは2006年に南京市で起きた彭宇事件だった。

 青年がバス停で転んだおばあさんを病院まで連れて行ったところ、逆におばあさんに「青年が突き飛ばした」と訴えられ、裁判の末、約4万6000元(約55万円)もの罰金を支払うように命じる一審判決が下されたのだ。その後も次々と同じような事件が相次ぎ、人々の間に「人助けはしない方が良い」という考えが広まっている。今年10月には車にひかれた2歳の少女を10人以上の通行人が見て見ぬ振りをするという惨事が起きたのも、こうした風潮の結果だろう。

 そうした中で、大胆にもポルシェで病人を搬送した少女の話は、中国の人々の心を動かしたようだ。

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