高学歴化するボクシング世界王者

今の時代ハングリーなだけでは…

 まず、子供の数は減少しているが、大学生数は毎年増加傾向にあるために、当然どの世界においても大卒が増えるのは当然だ。平成23年度は約289万人(文部科学省統計)となっている。


 ボクシングの世界でも景気が悪いこともあり、高校の指導者も進学を勧める場合が多いという。大学ボクシング関係者は「高校チャンピオンなど実績があれば、学費免除の場合がある。過去には、母子家庭で大学進学を諦めていたがボクシングのおかげで進学できた子もいる」という。

 また、プロの目から見た場合も「昔はアマチュアを長くやりすぎると、プロでは勝てないと言われた。ただ、大学でトップレベルまで行った選手は基本がしっかりしているし、技術がある。高校を出てすぐでは身体もできていないから、すぐに世界というわけにはいかないし、大学でしっかり練習するのは逆にいい。今の時代は、ハングリーなだけで世界を獲れるほど甘くはない」とボクシングジム関係者はいう。

 さらに、大学で全日本王者など実績を挙げれば「ジムによっては所属で、契約金が出る所もあるようだ」(全国紙運動記者)という。

 ボクサーはとくに現役生活が短く、大卒という保険はあって損はないのだ。

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