映画の脚本を出版物に掲載することを拒否したのは契約違反だとして、芥川賞作家の絲山秋子さんの小説を映画化する際の脚本家・荒井晴彦さんと社団法人「シナリオ作家協会」が14日、絲山さんに1円を求める損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。
訴状などによると、荒井さんは2004年に、絲山さんの小説「イッツ・オンリー・トーク」を原作とした脚本を執筆し映画化。後にその脚本がシナリオ作家協会発行の出版物の掲載作品に選ばれたが、絲山さんが掲載を拒否した。この作品は別のメディアなどでは二次使用されていたが、この出版物はなぜ許されないのかという点で不可解さを残し、提訴に踏み切ったようだ。
慰謝料は金額の問題ではないとして、1円となった。
絲山秋子さんは2006年に芥川賞を受賞。文学界新人賞、川端康成文学賞、文部科学大臣新人賞など新人賞を数多く獲得している。自身はこの日、ホームページ上の日記では梅雨明けと病院への通院の話題の記述はあるが、この件に関しての言及はなかった。