矢野経済研究所は4日、未就学児をもつ母親を対象にした「子供に関する母親アンケート調査結果 2009」を発表した。それによると、不況下においても子供関連費用は優先的に出し、特に教育費は惜しまないという傾向が明らかになった。
これは、同研究所が2009年5月に全国の3歳から6歳までの未就学児をもつ母親480名に、インターネット上で行ったアンケート。
それによると、家計をやりくりする4割強の母親が不況前と現在を比較し、支出を削減している、または削減するよう努力していると回答。具体的な削減費用項目については、外食費(76.8%)や家庭内の食費(69.2%)といった必要経費である毎日の食費をこつこつと節約する一方、レジャー費(52.1%)など家族で参加するため大きな支出になりがちな費用においても控える傾向が顕著にみられた。また、大人用の衣服・バック・靴への消費(55.5%)や交際費・飲み代(35.1%)など大人向け消費を自粛する傾向にあるが、子供関連の必要経費の削減は7.1%にとどまり、家庭内においては子供優先の予算配分をしていることがわかった。
また子供関連のあらゆる経費については支出する傾向があるが、将来的にはどういった費用項目に支出する意向があるのかについては、貯蓄用の教育資金(50.8%)をはじめ、子供の書籍・絵本・参考書(25.8%)、スポーツ(19.2%)や音楽(11.0%)、知育(17.3%)等のお稽古ごとや通信教育といった教育関連費用が主軸になった。
その一方で、おもちゃやゲーム関連の支出は削減したい意向があるなど、単に子供の望む娯楽ではなく、小さいうちから頭と身体をしっかり鍛えられるような教育を施し、心身ともに健康な子供に育てたいという親としての願いを読み取ることができた。
また子供向けサービスを選択する際に重視する点については、子供自身が興味を示すこと(68.1%)、昨今の家計状況から“値段”(62.1%)という項目の比重が大きかった。一方サービス提供者側への要望としては「サービス提供者が信頼できるかどうか」(59.2%)が重視され、これは「サービス提供者のブランド名」(5.6%)と比較すると50ポイント以上の開きがあった。消費財の安心・安全に対する消費者意識が高まりをみせる中で、企業や商品のブランドを鵜呑みにするのではなく、自身の教育方針と合致するかどうか、また納得のできるサービスであるかを見極める必要があると考える親の姿が浮かび上がった。