ソフトバンクがビクターを足がかりに音楽事業参入狙う

 ソフトバンクが、音楽事業に参入する意向を固め、音楽ソフト会社「ビクターエンタテインメント」と出資交渉を進めていることがわかった。ビクター側は交渉を否定している。

 一部報道によると、両社は月内の合意を目指しており、ソフトバンクは将来的には過半数の株式を取得して子会社化する方向だという。同社にとっては、楽曲を手にすることができれば今後のネット上の事業では相乗効果が高まると踏んでいるようだ。

 ビクターエンタテインメントは1928年に、日本ビクターの音楽部門としてスタート。サザンオールスターズ、SMAPらが所属しているが、ビクターが事業の見直しを行っている関係で、同業他社や異業種他社の名前が譲渡先にあがってきた。

 ゲームソフト大手のコナミとの売却交渉も不調に終わった。そこには、音楽市場が全体的に明るくなく、アーティスト間で優劣がはっきりしてしまっているため、全体として黒字化は厳しいという見方が大勢をしめた。また、覚せい剤取締法違反の罪で有罪判決(執行猶予中)の元女優・酒井法子さんもかつては所属するなど、犯罪などによる未然に防ぎようのないリスクも抱える。

 ただし、一部アーティストの所属だけ動かすなどの変則買収案などもあったようだ。一時は、SMAPのエイベックス移籍の可能性も水面下では活気づいていたこともあったというが実現はしなかった。しかし今回は事業の相乗効果が見込めそうなソフトバンクが浮上してきたことで、譲渡へ現実味が出てきたようだ。

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