ピカソ100億円、マネ40億円の裏側

 今年に入って2度も落札最高額が塗り替えられほど好調な美術品市場で、6月のサザビーズオークションが早くも関係者の間で注目が集まっている。その作品はマネ「Self Portrait With A Palette(パレットを持った自画像)」。出品者は大手ヘッジファンド、SACキャピタルのスティーブ・コーエン氏で、低く見積もって40億円程度の値が付くのではないかと見られている。

 スティーブ・コーエン氏の昨年の年収は約1200億円。世間からは強欲家と見られるヘッジファンドマネージャーの中には意外とアート収集家が多い。芸術なのか、投資なのかと言われれば、答えることは難しいが、用途は両方ではないだろうか。

 100億円を超えたパブロ・ピカソの「ヌード、観葉植物と胸像」では、1億648万ドル(約100億8600万円)の金額まで到達した理由の一つに、スティーブ・コーエン氏が競り合いに参加したからだとも言われている。

 また他にも大手ヘッジファンド、シタデルインベストメントのケンス・グリフィン氏も5人のうちの一人だと言われている。他にも、ムーアキャピタルのルイス・ベーコン氏も有名なアート収集家で、専用のアート庫を持ち、美術アドバイザーを妻に持つほど。

 そのコーエン氏が次に出品するマネの作品だが、「Self Portrait With A Palette(パレットを持った自画像)」は、2点しか現存しないと言われる自画像の一つ。その希少性から高騰することは、ほぼ間違いないと見られている。コーエン氏にとっては、売り時として、この上ないほどの好機ともいえるだろう。

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